スケッチブック

――七星

雪と話しているとき、
ずっと、視線を感じていた。
振り向くと、
少し離れたところに、
芽衣子が立っている。
優しそうな子。
でも、どこか、
触れたら壊れそうな感じがした。
——私、邪魔かな。
そんなこと、
考えたこともなかったのに。
「ね、雪君」

思い切って、声をかける。

「芽衣子ちゃんも、
一緒に帰らない?」

それは、
本心だった。
誰かをどかしたいわけじゃない。
ただ、
仲良くなりたかった。

でも、
芽衣子は小さく首を振った。
「先、帰るね」

その声は、
雨音に溶けてしまいそうだった。
七星は、
胸の奥が、少しだけざわついた。
——私、何か間違えた?
答えは、
誰も教えてくれなかった。