SS fromうちの訳アリ男子たちがすみません!

 クッキング大会もラストスパート。

 各グループが急いで仕上げに取りかかっているころ、紫苑くんは乾燥した草のようなものを取ってきた。

「それなにぃ? 食べられるのぉ?」

「これはローズマリーというハーブです。仕上げに使うんですよ。ほら二人も盛り付けてください」

 底の深いお皿を並べてご飯が不在のカレーを注いでいく。

 水を多めに入れちゃったせいで明らかに量が多くなってる。

 紫苑くんはいったいどういう考えなんだろう?

 カレーの上にローズマリーを加えると私たちの料理は完成。

 ちょうどのタイミングで30分のタイマーが鳴って、みんなでテーブルまでお皿を持っていく。

「結局、紫苑くんの策って何だったの?」

「はあ、まだわかりませんか? 見たらそのままでしょう」

「けっこぉサラサラな液体になったねぇ」

「うーん、言われて見ればスープっぽいかも?」

 紫苑くんはやれやれと肩をすくめた。

「そうです。これはスープカレーです。ご飯がないのなら必要のないものを作ればいいだけのこと。ハーブを入れてアレンジしてみました」

「ええ~、すごい!」

「考えたねぇ」

 彼は照れたように顔を赤らめると、こほんと咳をした。

「ところであっちのチームはどうなったんですかね」

「——ワン! 何やってんだ!」

「えへへ、やっちゃったあ」

 振り向いた途端、騒がしい声が聞こえてくる。

 わん太くんたちも盛り付けに移ったみたい。

 だけどフライパンから移すときに盛大にぶちまけちゃっている。

 ソースの香ばしいにおいがふわっと香った。

「あれは……焼きそばですかね」

「にしては、いろいろ突き刺さってるけどぉ……?」

 盛り付けられた焼きそばにはトウモロコシ(ほぼ丸ごと)やネギ(丸々一本)が突き刺さっていた。

 どうみてもこれ、普通の焼きそばじゃない……。

「ストーップ! ワン、危ないから一回置いて!」

 楓くんの悲痛な叫びが聞こえてきた。

 私たちみんな、ひくっと顔を引きつらせる。

「楓くんがいるのにあんなことになるなんて……」

「世も末ですよ」