SS fromうちの訳アリ男子たちがすみません!

「うわあ、結構本格的だね……!」

 私は思わず感嘆の声を漏らした。

 商店街の一番大きな広場がキッチンみたいになってる!

 6チーム分くらいの机にそれぞれまな板、フライパンなどなど調理器具がそろっている。

 食材も人参やらジャガイモやら、たいていの野菜はそろっていた。

 受付に行く前に、どうせならって、二チームに分かれることにした。

 グーとパーで分かれたらぴったり三人ずつ。

 私は紫苑くん率いるミケくんとのおっとりチーム。

 対して楓くんが率いるのはわん太くんと天くんの元気いっぱいチーム。

 いざ受付してみたら、どうやらほかの参加者には地元の飲食店のシェフもいるみたい?

 私は紫苑くんと顔を見合わせたけど、わん太くんはなぜか目がキラキラしてて。

 大会なのに参加者が足りなくて困ってるみたいだったし、まあいいかって参加することにした。

「制限時間は30分です! 観衆の皆さんの投票で一位が決まります! それでは、スタート!」

「さて、何を作ります?」

 さっそく食材の前に移動した私たちは顔を突き合わせる。

 そういえば大会に出ることにしたのはいいけど、何を作るのか決めてなかった……!

 シェフチームは事前に決めていたのかもう作り始めてる。

 時間も短いし私たちも早く作り始めなきゃだよね!

「簡単なやつがいいんじゃなぁい? 素人の僕たちが作れる料理じゃなきゃねぇ」

「簡単といっても……食材も限られてますし」

「う~ん」

 並べられた食材に目を向ける。

 人参、ジャガイモ、玉ねぎに豚肉……。

「「「あっ」」」

 机の端まで目を走らせて、同じタイミングで声を上げた。

「固形のルーがありますね」

「この食材で作るんならこれしかないでしょぉ」

「この料理なら誰だって好きだよね!」

「「「カレーなら!」」」

 私たちは早速分担して作業に移った。

 ミケくんは野菜を一口大に切って、私はお肉を加熱して鍋の準備をして、紫苑くんは指示を出しながら足りないところを補ってくれてる。

 カレーは何度かお母さんと作ったことがあるから手順は覚えてる。

 お肉、たくさん種類があるからいっぱい入れちゃおうっと。

 大体の具材は入れてあとは煮込むだけになってハッとした。

 だけど、あれっ? ご飯がない!

 ご飯を炊いてないってだけじゃない。

 そもそも、炊飯器もお米もここにはない!

「ど、どうするの? これじゃあ、カレーのルーだけになっちゃうよ!」

「ご飯がないんだから、カレーライスは作れないねぇ。紫苑、何か策でもあんの」

 ミケくんの問いかけに紫苑くんは顔色一つ変えず、計量カップに水道水をくむ。

 そして、ドバーッと鍋に注ぎ込んだ。

 ちょ、ちょっと⁉ もう水はいらないよ⁉

「紫苑くん⁉ いったい何して……」

「いいから黙って見ててください」

 そう言った紫苑くんの顔は不敵に笑っている。

 私とミケくんは眉を見上げて顔を見合わせた。