ながされて、絆されて、ふりむいて




うまく言葉に乗せられない"すき"を込めて視線をお届けし続ければ、4秒経って、視線をキャッチしてくれた。


話している相手からは死角になるように、右手が小さくゆらめいた。きゅん、と心臓も揺るう。


わたしもちいさく、左手を振る。ばれないように、こっそり、わたしたちだけの秘密。



絶対にばれたくないし、ばれちゃだめだけれど、ひみつの共有はどうしたってどきどきする。


ときめきのせいで体温が上がって、目を奪われるお仕事姿に思考を持っていかれつつも、なぜこのフロアに凪がいるのか、疑問を浮かばせる。


凪の所属する国内営業部の執務フロアは4階だ。前に部署横断のプロジェクトメンバーになった、とか言っていたからその件だろうか。


また今度聞いてみよう、なんて呑気に考えていればわたしの後方から扉がひらく音がした。まっすぐ集中させた視線を外す前に、さっきまで隣で聞いていた柔らかな声が鼓膜を揺らす。