「すぐ行くね」とおそらく自身のデスクへ向かった名波さんの背中を見送ってから、言われた通りの会議室へと向かう。
会議室の前に立てられたパネルに「13:00〜14:00 人事部児玉使用」を入力する。スケジューラーからも予約ができるし、予定が入っていなければその場で押さえることのできる便利なシステムだ。
「……あ、」
全面ガラス張りの会議室。まっすぐ前を向いた視線の向こう、誰よりも見慣れたシルエットをとらえた。奥のほうのオープンスペース、一際目立つすらっとした立ち姿。紛れもなく、わたしのすきなひと。
「……なぎ、」
……気づくかな。
じぃ、と1、2、3秒。大好きなそのひとへだけ視線を渡す。いま、わたしの視線ひとりじめしてるの、凪だよ?



