ながされて、絆されて、ふりむいて




「きちんと確認するべきだった、反省してる」


「いえ、わたしもしっかりお伝えすればよかったです。けど、他の人は何も考えず丸投げ、も多いのでやろうとしてくださっただけでありがたいですよ」


「はは、フォロー上手だね。さすが」



そんな、と溢しながら10階の執務室入口に社員証をかざす。10階から13階は事業本部のフロアになっている。


わたし自身、商品の企画や開発、広報といった分野に直接関わっているわけではないから中々訪れることもなく新鮮だった。


来期は採用HPの刷新も予定しているから、先輩社員インタビューや事業ページの編集関連で関わることも多くなるかもしれないな、と頭の中で巡らせる。



「児玉さん、10階ってあまり来ない?」


「そうですね。入社時研修のとき案内してもらって以降来てないかもです」



上京したての学生のように、きょろきょろと視線を泳がす。同じ会社とはいえ、部が違うと雰囲気がガラッと変わるのはあるあるだと思う。