「あの量を、ひとりで、二時間で……?」
──すっかり抜け落ちていた。そう、手伝ってくれたのはあの天下の茅野凪さまだった。若手で最も勢いのある出世コース間違いなしのスーパーエース。
大まかにはあらかじめ三戸さんが確認してくれていたとはいえ、付け合わせや会議資料整理あたりの、コピペのきかない細々とした作業が多かった。
わたしはかんたんな指示しかしていないのに、資料に少し目を通しただけですぐに腹落ちさせて、完璧に指示通り作業を進めてくれた。
そんな参謀がいたからこそ、わたしは早く業務を終えられた。当然と言えば当然、ふたりに懐疑的な目を向けられている。
「や、やればできるんです!でももうあの本気は出せないのでお手柔らかに……!」
さらっと誤魔化すけれど、納得はしていない様子だ。じい、とわたしをとらえる瞳は鋭くひかる。



