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金曜、華金ならぬ花金、花鈴のハッピー金曜日は凪が手伝ってくれたおかげで無事に迎えることができた。凪のおうちに一緒に帰って、自分の家に帰ったのは日曜の夕方。
淡白なふりして「他の人のところ、行くから」と嘘をついていたのも、もう使えないし、帰る理由もなければ帰りたい気持ちもなかったから。
……………それに。しつこいくらいあまやかされて、身体が動いてくれなかった。もう大丈夫、って言っても満足してくれなくて、嫌ってほど丁寧だった。ただそれだけ。快楽に連れられた涙が勝手に溢れてしまうほどに。
凪にあんなふうに求められたこと、あんまりなかったから、思い出すたび全身に桃色の甘さが広がる。油断していると、頬にも桃色が乗ってしまうから、ぱたぱた手のひらで仰ぐのはここ数日のルーティンだ。
「──……べつに、お嬢の仕事が遅いとかテキパキしてないとか言ってるわけではなくてね?」
そしてそんなわたしは、花金のお礼をしっかりと享受していた。
けれど、風向きがおかしい。なぜこうなった。じゅう、とじわじわ焼かれていくお肉同様、わたしもじわり、追い詰められていた。



