ながされて、絆されて、ふりむいて



「……ならないよ。このまま勉強頑張って大学まで行って、普通に就職すると思う」



世間知らずなわたしは、小さいころからずっとサッカーを続けていて、たぶん、学校でいちばん上手な凪はプロになれるものだと思っていた。そうではないのだと知る。



「……そうなんだ。凪はサッカー選手になるんだと思ってた。それでわたし、応援に行くものだと思ってた」


「……うん。大事なものを大事にしすぎたら、手放せなくなるから。サッカーは部活レベルでいい。高校も続けるか未定」


「大事なものを、大事にしすぎる……」



受け取った言葉を取り込んで、そのまま空へ投げる。一緒にボールを蹴ったらころころと砂のうえを這って少しだけ逸れてしまった。


けれど凪が何もなかったかのようにボールの正面に入って勢いをなくして、足元へ吸い込む。


砂がざらり、黒のローファーににまとわりつく。



「(……どういう、こと)」



大事なものは大事にして当然だ。手放したくないのなら、手放さなければいい。まだまだ幼さの残るわたしには、凪の言っている意味がわからなかった。



「それに、」