ながされて、絆されて、ふりむいて




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──中学生のとき、凪に聞いたことがある。


夏になるすこしまえ、ぎりぎり過ごしやすい季節。暑さがもっと本格的になって近づけば、熱中症を心配する両親がわたしを家から出したがらない。


それでも凪はたまにおうちに遊びに来てくれるけど、外の空気を一緒に吸えるのは太陽がぽかぽかでとどまる季節限定だ。



「凪は将来サッカー選手になるの?」



放課後、凪の学校とは違うジャンパースカートの制服のままローファーで砂を踏みつける。


凪がやさしく蹴ったボールをとん、と止めて、右足の内側で蹴り返した。つま先で蹴るんじゃなくて、インサイドで蹴るんだよ、って教えてもらった。