「児玉教授──お義父さんには『娘さんと一緒に幸せになりたいです』って言うつもり。いつか」
わたしの、お父さんに?
……それって、プロポーズ?
いやいやちがう、凪はただ本当にわたしを幼なじみとして大切なだけだ。それ以上の特別な意味なんて、持たない。
わかってる、わかっているのに、永遠の予約を連想させることばに頬が染まってしまう。誤魔化すみたいになかったことにして、冗談にする。
「……もう、ばか言わないで」
「はは、ごめんって。帰ろっか」
黒く流れる前髪、のぞく双眸があまく細まって、もう一度だけ近づいた。ただ重なるだけの、ピュアなくちづけ。
「一生俺に大事にされてて。ずっと俺にだけわがまま言っててよ」



