ながされて、絆されて、ふりむいて




「……あま。シャインマスカットの味」


「〜〜っ!!!ここ会社だってば!」


「知ってる」



一瞬で離れて、もう一度温度が重なった。今度は触れるだけではなく、熱が割り込む予感がして、あわてて身体を押し返した。


視界に映る、不機嫌を乗せた凪の表情。漆黒の瞳が不満げに揺れる。



「だから、ここ会社なの、!」


「……誰もいないし、さすがにキス以上はしないから大丈夫」



「でも、花鈴が嫌ならやめるよ。花鈴が嫌なこと、絶対したくないから」と呟けば、立ち上がった彼に引かれてまたすっぽり収まってしまう。


ハグだったらいいなんて言ってない。だけど、心地よくて手放したくないから応えるのをやめられない。わたしもぎゅ、と背中を探って力を込める。



「それに、舌まで入れたらここで脱がしたくなっちゃうし。止めてくれて助かった」