ながされて、絆されて、ふりむいて




シゴデキ同期茅野凪さまに手伝ってもらったおかげで、それから一時間ですべての業務を終了させることができた。


ドラフト作成に各部へのメール、おじさんたちへの紙ベース準備、三戸さんへの伝達事項まとめ、きっちり凪と一緒に遂行させれば、達成感でふにゃりと力が抜けた。



「終わったぁ〜、凪、本当にありがとう」


「全然。もっと早く手伝いに来たらよかった」



やさしく微笑まれて頬に大きな手が重なって、おなじくらいの体温が一緒に溶ける。


電源が付いているパソコンはわたしのデスクトップと、凪が持ってきたノートパソコンだけ。ふたりきり、見つめ合って交錯する視線がゆらり。



「花鈴、お疲れさま。先輩のために動くのは偉いし、三戸さんが味をしめて花鈴に業務押し付けることなんてないと思うけど、無理はしないで。心配になるから」


「うん、わかってる。いつもわたしの心配してくれて嬉しい、ありがと──、っ!?」



となりに座っていたはずの凪が腰を上げて、わたしのくちびるを攫った。それは、一瞬のできごと。