ビルの1階のコンビニで買ったカフェオレを片手に、今日も変わらず9階へ向かう。朝、エレベーターが混み合うことにももう慣れた。
1階と2階はコンビニやカフェのテナントが入っていて、3階から〜15階までは全てオフィスの自社ビル。同じ会社であるはずなのに、顔を見ても名前と一致しない人は山ほど存在する。都心の一等地、謙遜するのも嫌味なほどの大企業。
大きな企業で働きたいとか、どうしてもビル入口で社員証をかざして入館したいとか、そういう希望やこだわりがあったわけではない。だけどとある理由で、わたしはこの会社が圧倒的に第一志望だった。
「おはようございま〜す!」
「児玉さん、おはよう」
「お嬢、おは!」
明るく元気よく挨拶すれば、通りかかった同僚や先輩、上司も皆返してくれる。無視なんてしようもんなら今時パワハラで訴えられるし、無視なんてレベルの低い社員はいない。



