「おつかれ、花鈴。驚かせようと思ったのに。いいところで後ろ向かれた」
「来てたの、全然気づかなかった……」
「おかげで集中した花鈴が見れて俺は大満足です」
「……っ、でもまだ何も連絡してないのに、どうして?」
「どうして、って」とわたしの疑問を滑らせて目を伏せた。長いまつ毛にくっきり二重は昔から憧れで羨ましい。それを言うといつも「花鈴のほうがぱちっとしててかわいいよ」なんてうれしい言葉を返してくれる。
それから一度、まっすぐその澄んだ瞳をわたしに合わせて「花鈴」と小さく呼んだ。
「会いたすぎて、無理だった」



