《でもほんとに何時になるかわからなくて》
《うん、いいよ。花鈴が俺と会うの嫌じゃなければいくらで待つ》
どきどきと高鳴るうるさい心臓。文字だけなのにわたしへの効果は抜群、凪不足で空っぽだった身体にときめきが注がれてゆく。
「(なぎにはやく会うためにがんばろ)」
預けてもらっていた資料と来期版が入力途中のエクセルとにらめっこ。この間三戸さんにマーカーを引いてもらった紙ベースの資料も併せて確認する。
はやく凪にぎゅってしたいな、はやく凪に会いたい。
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「集中できない……」
もう誰も残っていないのをいいことに、ひとりごとをわたしだけのひとりきり空間に流し込んだ。
定時のアナウンスが流れてから一時間、きっちりパソコンと紙に向き合ってしまったせいでブルーライトをカットするメガネも眉間への負担要因でしかなくなっていた。



