ながされて、絆されて、ふりむいて



結婚して、はじめての記念日。長く付き合っているから記念日なんて日常でしかないけれど、それでも結婚記念日ははじめてだから、って、クールビューティーのお手本のような彼女がほんのり頬を赤らめていたことを知っている。


すぐに旦那さんとおでかけできるよう、在宅にしたって。



『それは、そうだけど、』


「だから、気にしないでください。わたしだってやればできます!」



凛とした三戸さんの声が弱々しく薄まった。わたしは大丈夫だと伝えるために、反して語気を強めた。


わたしの経験のためと、三戸さんの助けになりたい想い。就活サイトの説明会動画でお話をしていた三戸さんに、密かにずっと憧れていたから。


こんなふうになりたい、と。その思いを伝えたこともあって、人事部に配属された経緯だってあるのだ。