──── 「かりん、迎えにきたよ」
──── 「なぎ!」
父がわたしから男の子を遠ざけたのは、幸か不幸か。
──── 「花鈴は、妹みたいなもんだから」
わたしの恋心はあの日、あっけなく砕け散った。直接言われたんじゃない。だけど確かにわたしは聞いてしまった。
凪は、わたしを恋愛対象として見ていない。わたしと同じ温度で、同じかたちで好きではない。……だから、
「花鈴ちゃん、俺と付き合わない?」
わたあめみたいに甘くて、葉っぱみたいに脆い軽薄な言葉にさそわれて、手を取ってしまった。
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