ながされて、絆されて、ふりむいて




「児玉さん」



凪とはまたすこし種類の違う人当たりの良い笑みが向けられた。垂れ目がちな目元、右の目尻には泣きぼくろ。


瞳は淡くブラウンに色づいている。けれど純然たる日本を感じさせる整った顔立ちは、涼名ちゃんが浮ついてしまうのも理解できる。


"関われば一度は彼を好きになる"という噂を彼女から聞いたことがある。やさしさとどこか掴めないあやうさを纏うそのオーラ、確かにその噂を肯定するものだと思った。



「お疲れ様です。わたしのこと、すぐわかりました……?」



カーキのセットアップ、こんなにも似合うのは名波さんくらいだ。