ながされて、絆されて、ふりむいて



「(ななみ、やまと……)」



頭のなかで、ひらがなで反芻して浮かべた。表示された名前──名波大和さんとは、ほとんどお話したことがない。


彼のことは「涼名ちゃんが凪と同じくらい推しているひと」という認識しかなかった。あと、すごくモテるってことくらい。これも涼名ちゃん情報でしかないのだけれど。



《お疲れ様。突然ごめんね》


《福利厚生で申し込んでる定期預金を解約したいんだけど、どこから手続きしたらいいかわからなくて》


《人事ポータルの福利厚生担当、児玉さんになってたから連絡しました》



なるほど、と心のなかで納得を浮かばせて、返信メッセージを作り始める。次から次へと送られるメッセージ、タイピングも思考も速いシゴデキだ。