ながされて、絆されて、ふりむいて



「そんなわけないよ、茅野くんはみんなに優しい」


「え〜???そう〜〜??お嬢先輩、茅野さんとふたりだからって、ちゅーとかしちゃダメですよ!仕事中ですから!」


「もう、何言ってるの涼名ちゃん。心配しなくてもそんなことはしません。それにこのフロアにはオープンスペースかガラス張りの会議室しかないこと知ってるでしょう?できないよ」


「え〜?じゃあ密室空間があれば、」


「しません」



フロアにはいくつかフリースペースがあり、大抵そこで打合せが行われる。今日も凪とはオープンスペースで行う予定だ。当然ながら周りの目がある、キスなんてできない。



「(……しないし、できないから、今日はおうちでたくさんしてもらお)」



本当は行くつもりなかったけど、今日も行っちゃおう。そして凪のすきな唐揚げを作ろう。


なぜか納得がいってないような涼名ちゃんを置いて凪のもとへ急いだ。「花鈴、焦ってるの可愛かったよ」とすこしいじわるを言われたけれど、わたしたちはちゃんと真面目にお仕事の打合せを遂行した。



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