「な………茅野くん、どうしてここにいるんですか?」
なぎ、と作りかけたくちびるをかやの、に変換したわたしに花束贈呈案件。白でいっぱいの花束を用意してほしい。
遠目で違和感のあったデスクに近づけば、先ほどのカフェでの会話の中心だった彼が、わたしのデスクのとなりの席に座っていた。
そしてわたしに、爽やかな笑みを向けている。おかえり、なんて言いながら。そのことばはいつもおうち専用なのに。
な、なぜ。史上最速で月次表彰を勝ち取った時の人が、なぜわたしのデスクに。会社では極力話さないようにしよう、用事があればチャットで、ってお互い了承しているはず。
「お嬢先輩、茅野さんがお待ちですよ!自分でスケジューラー飛ばしてたじゃないですかぁ」
「えぇ??スケジューラー……?」
「ほら、打合せ」
「……………あ」
涼名ちゃんに言われて気がついた。そうだ、わたし今日13時からミーティングを入れていた。最悪なやらかしに気がついて、血の気が引いていく。



