ながされて、絆されて、ふりむいて



「わ、おめでとうございます!栞さんと直さんのお子さんなんて絶対かわいいですね……!」


「ふふ、どうだろう。直に似たらきっと可愛くてかっこよくてやさしい子になると思うの。この子が生まれたら、凪くんと一緒に会いに来てね」



栞さんのしあわせな報告と素敵な提案に「もちろんです!」と明るく元気よく答えた。



「(結婚、かぁ)」



結婚に、出産。結婚するなら凪じゃなきゃ嫌だし、凪とのこどもしか欲しくない。


"茅野花鈴"になれないのなら、一生"児玉花鈴"で構わない。…………なんて。



「あらためて、おめでとうございます。わたしも嬉しいです」


「ふふ、ありがとう。まだ産休には入らないから、引き続き凪くんとのお話たくさん聞かせてね」



年上だから、って言っていつもお会計を譲ってくれない栞さんに、今日だけは折れずに伝票を勝ち取った。


「お言葉に甘えて」と可愛く笑ってくれたから、わたしも今日は、凪に可愛く甘えられるような気がした。



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