パスタを食べ終えて、カフェラテとともにまったりタイム。甘党だから、しっかり砂糖をくるくるする。
「もうすこし先の話だけど、こうして花鈴ちゃんと一緒にランチができなくなるかもしれなくて」
「え、え、いやです、なんでですか、いやです」
嫌だとこどもみたいに顔を歪ませるわたしにも栞さんは月のひかりのような淡い笑みを向けてくれる。綺麗に上向いたまつげとゆるやかな二重が温もりを宿す。
「わたしもさみしいんだけどね。実は、家族が増えることになって」
コップを皿の上に置いて、ゆるりと自身のお腹あたりを撫でた栞さん。伏せた瞳、まつげが落ちる影、再びわたしと目を合わせた彼女の表情はこれまで見たことないほど慈愛に満ちていた。
「来てくれたんだ、わたしと直のところに」
温度が灯ってやさしくひかる瞳は、わたしのこともぽかぽか照らしてくれた。



