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「花鈴ちゃん、お待たせ」
「いえ!急だったのにありがとうございます」
会社から5分くらい歩いたビルの20階に、お気に入りのカフェがある。わたしが無茶を丸投げするときは、大抵このカフェで12時半、ランチをしましょう、という意味だ。
《いいよ、またかわいいお話きかせてね》とやさしく返してくれたらOKの合図で、その言葉に甘えて彼女の時間を遠慮なく頂いている。栞さんに甘えるのはわたしの特権。
「栞さん、今日の日替わり、明太子と帆立のパスタです」
「あ、今日パスタなの?じゃあ日替わりで注文お願いしてもいい?」
「もちろんです!」
おひる休憩用のサブバッグを置きつつジャケットを脱いで準備する栞さんの代わりに、日替わりランチをふたつ、店員さんにお願いする。



