ながされて、絆されて、ふりむいて




「凪、絶対珍しい学生だったよね。自ら鬼単って有名なお父さんのゼミを希望するとか」


「卒業式でそれ言われた。望んでここに来たのは茅野と南雲だけだって。どっちかって言えば俺より直さんがすごいかな」


「直さんももちろんだけど、凪もすごいよ?」


「そんなことない。俺は打算があったから」


「え?打算?」


「こっちの話」



ふい、としてそれからは口を割らなかったからわからずじまいだ。こういうときの凪は頑固で、絶対に教えてくれないからしつこく聞くことはしなかった。


かつ、かつ、と自分のヒールが鼓膜を揺らす。


国見の試験日、凪と一緒にこの道を歩いた。手応えがなさすぎて俯くわたしを引き上げてくれたのは間違いなく凪だった。あのころから、なにひとつ、かわっていない。



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