ながされて、絆されて、ふりむいて




それでも、何故かを問い詰めて今を壊すくらいならこのままだらだらと時が進んでいけばいいなんて思ってしまう。これまでもずっと思ってきたこと。


凪のとなりにいられたらため息で逃した幸せはかえってくるし、その代わりに表情筋は勝手にゆるゆると飛び立っていってしまうから。


目を背けながら日々を過ごしていれば自然と訪れた水曜、13時。斜め前、宣言通り目をキラキラさせて彼を拝む準備万端の涼名ちゃん。



「あぁ!いらっしゃった!」


「……茅野くんって、涼名ちゃんにとってアイドルか何か?」


「アイドル?そんなもの超えてますけど」



なぜだか自信満々に威張られてしまう。そんな姿も可愛らしくて神さまは不公平だ。わたしも凪の前でこれくらい可愛くいたいの。


凪がアイドルを超えて最高にかっこよくて推しであることなんてわたしがいちばんよくわかっているし100%、いや1億パーセント同意だ。