ながされて、絆されて、ふりむいて



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曖昧さと未来を無視して誤魔化して、関係性の境界をぼやかすのを、もうずっと、続けている。こころの切り傷には絆創膏を貼って、応急処置のままやり過ごしていた。


──チャットで呼び出されたあの日から、凪の帰る場所は毎日わたしのマンションになった。


わたしが呼んだのではない。同じ最寄り駅、自分の家ではなく、わたしのところへ帰ってくるのだ。


あさ起きて、凪がいなかったらさみしいから、基本的にはわたしが凪の家に行くことが多かった。わたしの家に招くことは少なかったから全然慣れなくて。


最近は「会うのは凪だけにした」という形になっているから会うことも多かったけれど、それでも毎日という頻度はこれまででも初めてだった。



……急に、どうして?




あの飲み会の日から、凪の様子がすこし変わったような気がしていた。