「……行かないよ、断った」
……飲みの話が出てくるのは、偶然?
おひる、名波さんとの会話は周りに聞こえるような声量ではなかった。
どちらにせよ、わたしははっきりと断ったのだ。凪が嫌ならしない。自分の意見なさすぎって怒られるかな。
だけどわたし自身名波さんとどうしても飲みにいきたいわけではないから。それにどちらかといえば男性と二人きりは苦手で、ただ、凪がいてくれれば良いのだから。
曇った表情はさらなる疑問をわたしに落とす。
「なんで?」
……けれど凪はやっぱり、どこまでいっても幼なじみでしかないのかもしれない。
──なんで、って。
なんでも何も、凪が行かないでって言ったから。わたしにとっては大きな意味を持つ言葉でも、きみにはちっぽけな気まぐれでしかないのかな。
ぽつりと落ちるさみしさは仕方ないものなのに、やっぱりきゅうっとこころを締め付ける。
わたしはきみの言葉で動いているのに、どうして結びつかないのだろう。



