ながされて、絆されて、ふりむいて




「そんなに、仲良いの」


「え、」


「名波さんと、花鈴」



至近距離で視線が絡む。憂いを混ぜたような双眸がわたしを射抜く。送り返す糸のような眼差しには、否定を組み込んだ。



「いや、そんなこと、ないよ」


「……そっか」


「……ねえ、凪。どうして、気になるの」





あのときは、凪が珍しく酔っていた。今はシラフなのに、同じような嫉妬や独占欲を感じてしまうのは都合が良すぎるだろうか。


ぐい、ともう一段階。腰を引かれて凪に近づく。わたしを見下ろすあいまいな双眸がゆれる。うすいくちびるは言葉ではなく、わたしをとらえるのみだった。



「……ん、っ」



答えもなく、それ以上の質問を封じるかのように塞がれたくちびる。空いた左手がわたしの後頭部に回った離れない。


ちょっぴり強引なキス、なのに触れると柔らかくて温かくて、あまくてやさしい。



「二人で飲み、行くの?」



吐息がかかる距離。甘美に細まった眼差しは凪が時折見せる、焦燥を混ぜたようなものだった。