ながされて、絆されて、ふりむいて




赤く染まった"1"の数字。追加されたメッセージを確認して、席を立った。凪と顔を合わせるということに、ノーは選べない。


執務室を出てすぐ、階段前の共有スペースに立つ凪を捉えた。


あいもかわらず華やかなオーラを醸し出す彼は、わたしが見惚れる間もなくすぐに手を取った。それはもう一瞬で、誰かに見られる心配もないほどに早く。


そのまま自販機の裏、廊下から死角になったスペースに入り込むと瞬きする隙すらなく腕の中に閉じ込められた。心地よい体温と、もう何年も凪が纏う爽やかなシトラスに包み込まれる。


ジャケットを着ていなくてシャツだけだからか、とく、と鳴る鼓動が響いてくる。



「な、凪??」