ながされて、絆されて、ふりむいて




「……好きなひとが、他の男のひとと飲みに行くの嫌だって、言うので、」


「……そうなんだ。彼氏?」


「いや、えっと、彼氏では……」


「……ふーん」



探るような視線、名波さんにはもう全てお見通しのような気までしてくる。そんなはずないのに。


彼氏では、ない。じゃあなに、だれ、どういう関係。いたって簡単な疑問だ。



──凪はわたしにとって、どんな存在?

──わたしは凪にとって、どんな存在?



「じゃあセフレ?」


「……ち、ちがいます!」


「間があったね、わかりやす」



言葉が一瞬、詰まってしまった。それを隠すように思い切り椅子を引いて立ち上がったんじゃ肯定のようなものだ。さらなる視線が集まったことに気づいて、静かに座り直す。