「な、ぎにいわれてから、あってない、」
「飲みにいくのも、嫌だ」
「凪が嫌なら……いかない……」
よゆうがなさそうにただひたすら、わたしに声を落としていく。肩で息して必死にその声を拾い上げる。
「俺だけの花鈴でいてよ。俺はもう、花鈴だけだよ」
ずるい、ずるいよ。
そんなの、勘違いしてしまう。
「すきになってよ。もう、幼なじみなんて、やめようよ」
こんなの、だめ。今頷いたって、絶対だめ。
凪はいつも以上に酔っていて、この言葉の真意がわからないから。
だから、何も返さなかった。
それを凪が覚えているからすらわからない。
「……とっくに……すきだよ……」
またわたしは、誤魔化すためのキスをした。この言葉はきっと届いていなくて、虚しい。
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