「……ゴム、いつものとこ?」
「……っ、うん」
「使うの、俺だけにしてね」
あたりまえだよ。生まれてこのかた、ベッドサイドの引き出しに仕舞われた避妊具は凪しか使ったことがない。
…………避妊具常備してるって、悪い子かな。けど凪しか経験がないなんて健気だね、わたし。
「かわいいね、ずっとかわいい、かりん」
わたしの頭をやさしく撫でる。その手のひらが愛おしくて仕方ない。準備を終えて、ゆるやかに中心に滑る。少し歪んだ表情もまた愛おしい。
「……ねえ、花鈴」
手と手が恋人みたいに絡む。お互いの息が届く距離で、凪がわたしを呼ぶ。
「俺以外の男と、会わないで」
……いつかも言われた、その言葉。ねえ、その意味は、なに?



