ながされて、絆されて、ふりむいて



「ごめん、シャワーしてないのに」


「そ、れはぜんぜんいいけど、急だし……ほんとどうしたの、」


「……花鈴に会いたくて、花鈴を抱きしめたくなった。……それだけだよ」


「……っ」



キスをしたまま腰を支えられて、ベッドまで足が動かされる。さっきまで寛いでいたその場所に、ふわりと沈む。


真上には凪がいて、重なるくちびるはお互いの体温を溶けさせる。首筋にもざらりと熱を与えるから、舌の動きが見知った快楽に変わってゆく。



「ん、なぎ、あつい……」



多分、お酒のせいで凪の口のなかが、熱い。ゆるっと大きめのTシャツしか着ていないせいで、服のなか、直に手のひらがわたしの肌にふれてゆく。


凪しかしらないわたしの身体は、凪に染まっている。この疼きも感覚も、凪からしかいらない。



──ただ、なぜだろう。


不意に、いつかの涼名ちゃんの言葉が頭に浮かんだ。いま、浮かぶのはおかしい言葉。



『死ぬほど上手いらしいですよ?』