「ただの同期なんでそういうふうに見たことないです。ビールもう一杯頼みます」
「あ、じゃあ俺も麦のロックお願い」
それから間もなくして名波さんの麦ロックが運ばれてくると、そのまま立ち上がって向こうの卓へ行ってしまった。真意や本音、何もかもわからない。
俺と花鈴の関係に勘づいて言ってきたのか、そうでないのかも、わからない。
──ただ、ひとつわかることは。
やっぱり俺は、花鈴を手放したくない。花鈴を離したくない。早くきみを抱きしめて、どこにも行けないように俺だけで満たしたい。
ごめんね、いつか言うから。言ったら壊れてしまうとわかっているから、いつか、だから。
今はまだ、きみのとなりにいさせてほしい。
早く帰って花鈴に会いたい。
行くはずなかったのに、解散後の足は自然と花鈴の家の方面へ向かっていた。
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