ながされて、絆されて、ふりむいて



「お嬢先輩っおはようございますっ」


「涼名ちゃん、おはよ〜」



ちょっぴり浮かんださみしさと、今日の朝の彼を思い返していれば、わたしの顔を覗き込む可愛らしい女の子がひとり。涼名(すずな)絵怜(えれ)、わたしと同じく新卒で人事部に配属されたひとつ下の後輩だ。


なぜだかわたしは部内の先輩がたに「お嬢」と呼ばれていて、後輩である涼名ちゃんは「お嬢先輩」と愛嬌たっぷり話しかけてくれる。ちなみに、同期からは「かりんたん」と呼ばれている。昔から友人にもこう呼ばれることが多いのだ。「花鈴」と呼び捨てにするのは凪くらい。



愛嬌たっぷり、わたしはこの言葉を涼名ちゃんにこそぴったりだと思っているけれど、わたしを指してくれることもあったりする。愛嬌はあったらあっただけいいと思っている。




「なんだか先輩、うれしそう」


「えぇ〜、そうかなぁ?」


「あ!わかった!茅野さんが表彰されてたからですね!?茅野さんって本当にかっこいいですよね!お嬢先輩、茅野さんと同期なの、うらやま!です!」