ながされて、絆されて、ふりむいて




「そんなわけで俺はかわいー女が好きなわけ」


「名波さんに好意ある女の子、たくさんいそうですけど」


「まあ、困ったことはない」



当然とでも言いたげに眉をくい、と上げた名波さん。それが驕りでも自信過剰でもなく事実なのは間違いないのだろう。


彼の手におさまるグラスの氷がからんと音を立てる。そうだ、ともう一度俺に視線を寄越して言葉をつづけた。



「それで思い出したけど、俺ちょっと茅野に聞きたいことあってさ」


「俺にっすか?」


「うんー、茅野にしか聞けないこと」



彼の口角が、妖しく上がる。それこそ学生時代、いや、生まれた瞬間から外見で常にプラスをもらってきたような綺麗な顔。淡いブラウンの双眸は相手を強く惹き込む。