ながされて、絆されて、ふりむいて



《わかった〜》



一応は淡白なふりをしているのか、それとも物分かりが良いようにしてくれているのか。わからないけど、当たり前に引き留めてはくれない事実を残念がる自分が嫌になる。


今日は事業本部横断プロジェクトの打ち上げ。今後のキャリアにも大きく関わってくるから不参加を選ぶことはないけど、もしも花鈴が「行かないで」と言ってきたらきっと迷う。


普通の飲み会なら絶対に断る。今回は……きっと迷ってしまう。花鈴至上主義の俺であっても。




理由は単純明快。出世したいから。このプロジェクトはその近道で、各部の重役候補に印象をつけるチャンスだ。


はやく、もっと、稼げるようになりたい。その原動力は間違いなく花鈴で、花鈴を迎えに行ける経済力と社会的な評価が欲しい。


それは、花鈴の両親──特にお義父さんにとっても必要条件だと思う。