いい女?いたよ、いるよ。それも、俺だけが知ってるわけじゃない。誰が見ても可愛くて守りたくなるような、とっておきの女の子。
「いい女といえばさ、茅野って"お嬢"と同期なんだろ? さっきすれ違ったんだけどめちゃくちゃいい匂いした、紹介してよ」
「はぁ、俺、関わりないっすよ」
表情を緩ませる先輩へ嘘を落とす。これは誰のための、なんの嘘だ。
関係がばれるのはいやだ、とちいさく俺の服を掴んだ花鈴のため? それとも、黒で濁る独占欲に支配された俺のため?
視線を完全に先輩へもどす。あーあ、俺の視界には花鈴だけが映ってればいいのに。
「児玉さんほど人気のある高嶺の花は俺なんかとは話してくれないですよ」
「何言ってんだよ、おまえ名波と一緒にイケメンダービー走ってるだろ。俺としては茅野にフルベットしたい」
「なんすかそれ」



