ながされて、絆されて、ふりむいて




声は心許なく小さくなったけれど、素直に認めた。そこからは誤魔化した。どうして凪がここにいるのか疑問に思ったこと自体は嘘じゃないし、と頭のなかは言い訳祭りを開催中。



「プロジェクトの打合せじゃないかな、そろそろ大詰めだし。俺もアサインされてるけど、あいつ細かい気配りすげーし完璧に仕事するから負けてらんないなって思うよ」


「……わたしも、茅野くんに追いつけるようにしないとです」



凪が褒められていてにやけそうになる口元をきゅっと結ぶ。凪に追いつきたい、隣にふさわしいひとになりたいのは本当。ずっとずっと、思ってきたこと。



「フィールドが違うから言い切れないけど、児玉さんだって十分だと思うよ?」


「そう言ってくださるの名波さんだけです。お世辞でもありがたく受け取っちゃいますね」


「うん、そうしてよ。本心だし」