ながされて、絆されて、ふりむいて




◻︎▫︎


ぱち、と目がひらく。

ぱさ、とシーツがゆれる。



となりをかくにん。……ちゃんと、いる。いてくれている。黒くゆらめく前髪がかかったまぶた、わたしと同じようにひかりを取り入れてゆく。長いまつ毛がゆっくりと上を向く。



「──花鈴、ねむれた?」



まだ完全に開ききっていないきれいな瞳が、わたしのほうへと寄越された。視線といっしょに声色にも乗っかかった温もりに、どうしようもなく、なきたくなる。



「うん、眠れたよ」


「良かった。身体は大丈夫?寒くない?」


「大丈夫だよ。凪、昔から過保護なんだから」


「心配だから、花鈴のこと」


「……っもう、」



視線だけわたしに預けて横たわったままの彼へ、触れるだけの口づけを落とした。これは、ごまかしのキス。わたしの顔があかくなってしまったのを隠すため。カモフラージュ。