「父さんが再婚したいなら、反対はしないよ」 『…そうか』 「珀斗はなんて?」 『…ママに会えるならって』 あの日の珀斗の泣き顔が脳裏に浮かぶ。 「珀斗は、俺に任せてくれて大丈夫だから」 『ごめんな』 申し訳なさそうな声で言う父に気付かないフリをして、 電話を切る。 学校の放課後、用事があった俺は人気のない廊下から教室のある棟まで歩き出す。