あの日、母さんと離れた日。
俺が何かもう少し言っていたら、2人は離婚しなかったかもしれない。
母さんが一人で生きることも無く、病気にも早く気付けたかもしれない。
珀斗も母親のいない子として育たなかったかもしれない。
そして何より、自分自身が救われたかもしれない。
また会える、と当たり前のように思っていた自分が心底情けなく、吐き気がした。
毎日美味しいご飯を作って食べさせてくれた母さん。
小さい俺に絵本を読んでくれた母さん。
晴れの日に公園に連れて行ってくれた母さん。
授業参観に来て、褒めてくれた母さん。
夜眠れない日は、寝かしつけてくれた母さん。
