紫陽花の心変わり。

祖母の家に住む私の元に七つ年下の従兄弟(いとこ)のレン君から手紙が届いた。
きっと毎年遊びに来る夏休みついての知らせだろう。
あの年頃の子はすぐに大きくなるので会うのが楽しみだ。

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おばあちゃん。サキちゃんへ。

夏やすみはお母さんのところへ行くので、おばあちゃんとサキちゃんにあいに行けなくなりました。
お父さんがつれて行ってくれるといいました。
お母さんにあえるのはひさしぶりなのでとてもうれしいです。
あと、おばあちゃんがくれたあじさいが今年もさきました。
きょねんまでは青かったのに今年は赤くてとてもきれいです。
お母さんのゆかたのがらみたいだね。とぼくがいったらお父さんがこわいかおをして、うわきをするからだといいました。
うわきのいみがわからなかったのでがっこうの先生にききました。
先生はこまったかおをしてきもちがかわることだよ。といいました。
お花にも、きもちがあるのですね。
あじさいのねっこがくろいこともさいきんしりました。
ほそくてさらさらで、お母さんのかみの毛みたいです。お母さんにあえるのがとてもたのしみです。

らい年の夏やすみには、またみんなでおばあちゃんのおうちにあそびにいきます。


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私は青くなり急いで警察に通報をした。


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【解説】

紫陽花の花の色はその「土」の酸性度で決まります。

青だと酸性。
紫だと中性。
ピンクはアルカリ性。

急に土の成分が変わったこと、紫陽花の根が髪の毛のようなことに気がついたレン君のお父さんがとる行動とは?
「急に居なくなったお母さんの元に連れて行く」の意味とは?

サキちゃんが急いで110番をした理由もうなずけますね。