いよいよだ…柄にもなく緊張する。
〈1階〉と表示されているインジケーターを見ながら、あたし– –最上律子は、ふぅ…と息を吐き出した。
あたしの夢は、億万長者。
一生豪遊できるほど、お金に困らない生活を送りたいとずっと夢見ていた。
だけどあたしの家はごく普通の一般家庭だし、働くなんてもっての他だ。
湯水のようにお金が湧いてほしい– –なんて叶うはずもないが、あたしはどうしても億万長者を諦めきれなかった。
そんなあたしの元に、奇跡のような話を持ち込んでくれたのは、親友の鳳真白。
まぁ、親友だって思っているのは、真白だけだろうけど。
あたしにとって真白は、素直で単純な上に、鳳コンチェルンの1人娘だったから、操りやすいカモでしかなかった。
そんな真白が話してくれたのは、いわゆる都市伝説だった。



