葵くんの胸に当てた耳が、深くて速い鼓動をキャッチする。 「これでもう、遊ぶのやめてくれる?」 はー、と長い息を吐き出した葵くんの弱々しい声が落ちてくる。 縋るみたいに少しだけ腕の力が強くなって、まだ空気を含んでいたワイシャツの裾が潰れて葵くんの肌の温度を直に感じた。 できないと思ったから提示した条件だったのに。 じわじわと移る葵くんの体温と、ずっと耳に届く心音が、 はぐらかすのを許さない。 「――ん、わかった。」 YESと言わざるを得なくなった。