純情*ライアー



だから、すれ違った瞬間にそれを耳にした女の子達が「ひゃっ」と思わず声を上げた。



堂々とすれ違って、彼女達が出てきた角を曲がる。

そしたらまた誰もいなくなった。



「ちゃんとできたね。
……というか女慣れしてないだけで、元々たらし体質だもんね。」



だから練習も耐性をつけさせる内容に振り切ってるし。



スイッチがちゃんと入った葵くんは、私の半歩前を歩いて飄々としている。


ピュアさが残るとこと言えば、ふわふわ揺れる綺麗な後ろ髪くらいだ。



「そんな体質になった覚えないけど!
……しかも、全然たらせてないし。」



あ、口を開いたら不貞腐れたお子ちゃまだ。



「それは相手が悪いだけだよ。
というかもう演技崩れてる。減点1ね。」

「ここでもそのルール続くの!?」



ガーン、と衝撃を受けて振り返ったその顔は、もうへたれの葵くんで。



しょうがないな、とその不器用さにクスリと笑った。