彼女達の目が手を繋ぐ私達を見る。
明らかに驚いて動揺しながら、それをこちらに悟られないようにすれ違おうとしてきた。
私は弄ばれる優等生として、潮らしく俯く。
「“恥ずかしいよ、葛城くん”。」
葵くんのスイッチを入れるために、それっぽい台詞まで付け足した。
私を見つめてずっと下を見ていた葵くんの表情は、前髪に隠れて彼女達からはまだ見えない。
タイムリミットが迫っているのに、葵くんの目は揺らいだまま。
ダメ押しで伏した視線をチラリと持ち上げると、ぐっと葵くんが息を飲む。
それをふっと吐き出した後、ようやく口元が弧を描いた。
「……“いーじゃん。誰に見られたって。”」
葵くんがするりと繋いだ手を、指を絡める形に繋ぎ直す。
軽い笑顔は作り物。
演技は……やたらと真に迫っていた。



