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人気のない校舎に、私が階段を登る音が大きく響く。
ちなみにオーラルケアはしたから。
キスしたら卵焼き味とか最悪だもんね。
屋上の踊り場手前の階段までくると、葛城くんが壁に背をついて待ちぼうけしてるのが見える。
ただ立ってるだけで絵になるから、イケメンって得よね。
「――お待たせ。葛城くん。」
待たせたけど、謝らない。
ご飯食べてから行くって、ちゃんと言ったし。
私の声に反応して、葛城くんがこっちを向く。
アンニュイな顔が途端に屈託のない笑顔に変わった。
「よかった、ちゃんと来てくれて。」
「約束したでしょ?ちゃんと行くよ。」
階段を上り切って、クス、と笑って肩を竦める。
お互い作り笑顔を貼り付けて、向き合った。
そのまましんと不自然な沈黙が落ちた。



